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「今まで食べたヒラメで一番おいしい」一流シェフも認めた「常磐もの」を釣って料理

提供:復興庁

漁船

福島の海の釣果に興奮!

「釣れるとは聞いていたけれど、こんなにたくさん釣れるとは思わなかった! また絶対、福島に釣りに来ます!」

釣りガールとして知られる秋丸美帆さんは、下船した直後、興奮気味に語った。この日に彼女が釣ったヒラメは9匹。最大で体長77センチを超えるものも。

大きなヒラメを持ち上げる秋丸美帆さん

福島県の魚の安心・安全を、五感で感じてもらうことを目的とした企画「『常磐もの』で福島の今を体感 2020~釣れたヒラメでリモートクッキング!」は、復興庁が主催、福島県相馬市、新地町の協力で開催され、関係者のみの少人数でソーシャルディスタンスを保った形で釣りとオンライン料理ワークショップが行われた。

朝5時。相馬漁港から第二豊漁丸と甲子丸2隻の釣り船が出港。"釣りガールみっぴ"としてTV・雑誌等で活躍されているインフルエンサー・秋丸美帆さん、「アル・ケッチァーノ」オーナーシェフの奥田政行さん、テレビ番組でもご活躍の海洋環境専門家の木村尚さん、全日本釣り団体協議会の千葉康則さん、立命館大学衣笠総合研究機構准教授の開沼博さん他、復興庁からは横山復興副大臣等が参加した。
(福島沖でのヒラメ釣行の模様は、雑誌「つり人」12月号でご覧いただけます)

漁港で集合写真
※撮影時のみ、マスクを外しています

参加した釣り人たちは、笑顔で興奮気味に釣果を語り合う。ヒラメのほかにも、クロソイやシイラなどの魚種も釣れた。

カゴに魚がいっぱい

東北のシェフが認めた常磐もの・ヒラメの底力

オンライン料理ワークショップの講師を務めたのは、山形県に本店を構えるイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」のオーナーシェフ奥田政行さん。

「アル・ケッチァーノ」のオーナーシェフ奥田政行さん

奥田シェフは、地元である山形県庄内産食材の素材の味を生かした料理で知られているが、今回のワークショップで使う食材も、地元産にこだわった。

相馬沖で取れたヒラメ、南相馬「カヤノキファーム」のトマト、パプリカ、オクラ、同じく南相馬の菜種から作られた菜種油「油菜ちゃん」。そして料理にあわせる日本酒も、震災前は福島県浪江町で「日本で一番海に近い蔵の酒」として愛され、今は山形県で酒造りを行っている、鈴木酒造の「磐城壽(いわきことぶき)」だ。

奥田シェフは、まず参加者に画面を通して自身が釣ってきたヒラメを披露。常磐もののヒラメの魅力を話しながらヒラメを捌く際も、プロの技術を見せながらも、家庭用包丁での捌き方や、切った魚の処理の仕方などをわかりやすく丁寧に説明。画面に映る参加者の様子を見ながら、「そうそう」、「それで合ってる」など一緒に料理を進めていった。

ヒラメを調理する奥田さん
調理の様子をオンライン配信

福島県の有形民俗文化財にも指定されている「相馬駒焼」の器に盛りつけられたセビーチェ。素材を活かしたシンプルな調理法ながらも出来上がったその料理は「美しい!」の一言。奥田シェフも、「常磐もののヒラメは大きくても身がしまっているので、味を強くつけなくてもおいしい」と太鼓判を押した。

セビーチェ
セビーチェ
アクアパッツァ
アクアパッツァ
ヒラメの尾で香りをつけた野菜
ヒラメの尾で香りをつけた野菜

奥田シェフは、「今まで食べたヒラメの中で一番おいしい」と話した。福島県の海が、親潮と黒潮がぶつかる「潮目」であることにも触れ、「相馬のヒラメは、おそらくヒラメにとっておいしい味になる最適な場所で育っている。だからこんなに大きくても身がしまっていて、おろしただけでも昆布締めしたみたいな濃い味がする」と説明。続けて、「私のようなシェフという立場の人間が、理詰めで福島の魚の美味しさと安全性を科学的に解説していけば、風評被害も払しょくできると思っている。同じ東北で料理に携わる者として、福島の豊かな食材に恩返しをしていきたい」と力を込めた。

奥田さん

離れていても福島の食を感じる「オンライン」という形

オンライン料理ワークショップは、全国の食と料理の愛好家が集うコミュニティサイト「キッチハイク」と連携して開催された。オンライン会議システムを活用して全国各地から20名ほどが参加した他、ファッションモデルで女優のママインフルエンサー高橋ユウさんや日本味育協会代表の宮川順子さん、日本ガストロノミー協会を立ち上げ、食べログフォロワー数が5万人を超える柏原光太郎さんらグルメ業界でも著名な方も参加。

オンライン会議システムに映る全国の参加者
配信とワークショップの実況を行うキッチハイクスタッフ
配信とワークショップの実況を行うキッチハイクスタッフ

参加者には事前に、相馬で水揚げされたヒラメ、南相馬の野菜、菜種油、浪江町の日本酒など、ワークショップで使うものと同じ食材が届いており、その食材を使ってオンラインで調理法を習いながら参加者と一緒に進めた。コロナ禍で、急速に広がった手法のひとつだ。

オンライン料理ワークショップの運営、参加者への配信のため、相馬に足を運んだキッチハイクスタッフは、ワークショップ冒頭でこう述べた。「『常磐もの』のヒラメをただ美味しく楽しんでいただくだけでなく、このヒラメが獲れた地域、福島の海のことも理解して欲しいと思います」。参加者の中には福島県出身の人もいた。「このコロナ禍で、なかなか福島に帰ることができないので、家で地元の味を味わえるのはうれしい」との声もあがっていた。

今回は調理だけではなく、「鈴木酒造」の鈴木大介さんや、相馬市に代々続く旧相馬藩第34代当主の相馬行胤(みちたね)さんがゲストとしてオンラインで参加し、地域のことなどを参加者にお話ししていただく場面もあり、料理ワークショップにとどまらない企画となった。

オンラインで参加した鈴木酒造の鈴木大介さん
オンラインで参加した鈴木酒造の鈴木大介さん

福島の魚を味わう

2020年1月、浪江町請戸漁港の様子
2020年1月、浪江町請戸漁港の様子

2020年4月、津波で甚大な被害を受けた浪江町の請戸漁港で、9年ぶりに競りが再開した。それまでも漁は試験操業として再開していたが、魚を卸す場がなく、相馬市の市場まで往復2時間かけてトラックで運んでいた。

同町の水産加工会社「柴栄水産」も社屋を建て直し、営業を再開した。その日にとれた新鮮な魚をその場で加工し販売するほか、8月にオープンした「道の駅なみえ」のフードコートでも浪江町産の魚の刺身や生シラスを味わうことができる。

さらに、「道の駅なみえ」の敷地内で来年1月には、酒蔵・鈴木酒造が約10年ぶりに、ふるさと浪江での酒造りを再開する予定。地場産品販売施設で地酒を買うことも可能だ。

道の駅なみえ
ヒラメやシラスが盛られた海鮮丼

また相馬市内には、10月25日に「浜の駅・松川浦」がオープンする。ここでも、相馬の水産物をメインにしたメニューを味わうことができるようになり、県内外から訪れた人たちが、地元でとれた魚を食べることの出来る日常が戻ってきている。

福島の美味しいもの食べられる東京の店情報は下記サイトで検索。 
参考:ふくしまプライド。まじうまふくしま!

試験操業から本格操業へ

最後に、最近飛び込んできた明るいニュースを紹介したい。

今まで試験操業としての漁だった福島の漁業が、いよいよ本格操業に向けて動き出したのだ。9月末に福島県漁連が明らかにした。8年以上続いた試験操業だが、一律ではなく地域や漁業種ごとに本格操業へ切り替えていくことを明言。2020年2月には、すべての魚種の出荷制限も解除されている。

福島の「常磐もの」をはじめとする豊かな水産物が全国の食卓に並ぶ日はもうすぐだ。

出港する漁船

復興庁のウェブサイト「福島の今」では、風評の払拭に向けて、知ってもらいたいことを親子でも楽しめるように分かりやすくまとめています。ぜひ、いろいろなコンテンツをご覧ください。
参考:タブレット先生の「福島の今」 - 福島県の今を伝える復興支援ポータルサイト

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